【16】Periodical Emergency Training
2006.02.25
やっと今年も、恒例の「Periodical Emergency Training」が無事終了しました。私たちCAは、年に一度「緊急時のための訓練」を受けるのですが、その時に試験があるのですよ。筆記試験(といっても、最近はコンピューターで受けるのですが)は80点以上とらなければならず、

緊急時のドア操作については100点満点取らなければ容赦なく落とされてしまいます!
そんなわけで、毎年この時期が近づくとみんなの緊張感が高まってくるのです…((+_+))
私も、サービスの合間に機内のあちこちをうろうろして、どこに何が設置されているか
再確認!
最近は世界諸事情から、航空会社に求められる「安全性」の基準が高くなって
いますから、その分私たちの訓練内容も以前に比べて中身の濃いものになっています。
入社時には、2ヶ月から3ヶ月ほどかけて、緊急時からサービスまで一連の訓練を
しますが、その後は一年に一度、ブラッシュアップ訓練があります。(内容は頻度は
エアラインによっても違うと思いますが)毎年、緊急時のドア操作から、火災発生時の
対処法、急病人やけが人の扱い方、ハイジャックの対応法まで…実にさまざまなことを
学びます。
…不思議かも知れませんが、このように毎年繰り返し習うことを、実際「現場で体験する」
ことはたいていの場合、その人のキャリアにおいてそう頻繁には無いのですよ。私は
20年以上乗務していますが、今まで大きな緊急時に遭遇したことはありません。よく、
「今まで飛行機に乗っていて怖かったことありますか?」
っていう質問を受けるのですが…ありがたいことに、本当に無いのです。お客様はどう
思っていらっしゃるのかな?
「スチュワーデスさんは頻繁に緊急時に遭遇しているだろうから安心!」
と思ってらっしゃるのかしら?
でも…考えてみたら、そんなエアラインって、怖くないですか?
実際、私はドアを緊急時に開けたことも無いですし、TVでよく見かける黄色いスライド
(ドアからたれ落ちている空気で膨らんだ滑り台)を訓練センター以外では滑り降りた
ことはありません。凍てつく海上でラフト(ゴムボート)を作って、お客様と漂流したことも、
熱帯のジャングルに不時着したことも・・・一度もありません!
それでも、毎年毎年、繰り返し練習をしています。超まじめに・・・です!各エアライン、
相当な訓練費を費やして乗務員の訓練をしています。昨日も訓練を受けながらふと
思いました。
「こんなに広範囲のことをきちんと教えてもらえる職種って・・・他にあるかなぁ?
本当にありがたいなぁ」
って。
一度も「実際に体験」したことはないけれど、私たち一人ひとりが自信をもっています。
『その時』が実際来たときには『身体が動く』ことを!確信しています。目を瞑っていても
対応できることを!そんなCAを機上に送り出すために、我が社だけではなく、この瞬間
にも、世界中のエアラインで同じような訓練が行われているのだと思ったとき、ちょっと
感動しました。「車より安全」といわれる所以がここにあると思います。(そういえば我が
家の車の工具ってどこにあったかしら?)
昨日の訓練の最後に、昨年の世界中でおきた飛行機事故のビデオや写真を見ました。
飛行機は無残な姿でしたが、全ドアの半分が使用付加の状況下、3分以下で300人の
乗客を脱出させた例が紹介されました。ラストアナウンスメントのその日まで、昨日学ん
だことを実体験する日が来ないことを祈っていますが、たとえそのときが来ても、自信を
持ってお客様の前に立てる自分がここにいます。
この職業につけたことを誇りに思うと同時に、再感謝する一日でした。

