スチュワーデス・フライトアテンダントがお届けする素敵な海外の一コマ

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【19】「裏街道」フライト

2006.05.15

先日のフライトに、訓練生が15名乗ってきました。みんな緊張していて、それでも
ノートを片手に「勉強」に余念がありません。
会社からもらった日本語のアナウンスメントブックを見ながら、私の機内アナウンス
を聞いています。なんだかチェックされているみたいで、緊張してしまいますよ~!

娘であってもおかしくないような年頃の訓練生の彼らを見ていると、
私が初めて訓練生として飛行機に乗ったあの日のことが思い出されます。

キャビン.jpg

私が22歳で最初に合格したのは西南アジアの航空会社でした。最近は、
テロの爆弾騒ぎなどで時々新聞紙上をにぎわせている国ですが、あの頃は
まだまだ日本人には馴染みの薄い国の航空会社でした(^^)

お正月気分も抜けきらない1月初旬に訓練に向かいました。
食事サービスが終わったころ、現地人のパーサーが私たちの座席にやって来ました。

「新しい日本人の訓練生の方たちですよね?今日のフライトには生憎日本人
乗務員が乗っていません。ちょっと日本人のお客様とコミュニケーションがとれず
に困っているのですが、誰かヘルプしてくれませんか?」

通路側に座っていた私がパーサーに連れられて前方のギャレーに行くと、日本人
女性がクルーに必死に何かを訴えているところでした。どうしたのかと聞いてみると、
信じられないことが彼女の口から出てきました!

「助けてください!私は借金の形に、今からバンコクに売られていくのです!次の
 寄港地で降ろしてください!助けてください!」

…最初は聞き間違っているのかと思ったほど、ビックしました。

「さぁ、これから憧れのスチュワーデス!訓練一生懸命頑張ろう!」

と、『アテンションプリーズ』や『スチュワーデス物語』のヒロインの気分で、ルンルン
と成田空港を離陸したのがつい数時間前。そんな22歳の私には、目の前の出来
事がまるで小説の中のことのようで、この上もなくショックでした。同時に

「私、いったいどんな職業に就こうとしているのかしら?」
「いったいどんな国に行こうとしているのかしら?」

と、不安がムクムクと心の中に広がっていきました。結局、その女性の希望に
かなうことはしてあげられませんでしたが、「世の中の裏」を垣間見たショッキング
なフライトでした。

“スチュワーデス” “キャビンアテンダント” 

と言うと、「華やかな」イメージが先行しがちですが、特に外資系の場合、国によって、
路線によってカラーが随分異なってきます。決して一くくりにはできません。飛行機
を利用される方が、みなさんハッピーだとは限らないのです。
昨日までは新聞やニュースの中の世界でしかなかった中に、容赦なく放り込まれます。
訓練では決して学ばない「現実」を突きつけられます。

乗務を始めて1~2年。よく友達に言われたものです。

「なんか最近、強くなったよなぁ!」

って。怖いもの知らず…だったのかもしれませんけれど(^^)